BC(ベースカーブ)とはなんですか?
ベースカーブとはコンタクトレンズの内面のカーブのことで、角膜曲率半径とも言います。たとえば、BC8.7というBCの場合は、半径8.7mmでコンパスで円を描いたのと同じカーブ(曲がり具合)ということを意味しています。
BC8.7とBC9.0のレンズですと半径8.7mmで円を描いたときと、半径9.0mmで円を描いたときでは、当然カーブが違いますよね。8.7の方がカーブがきつくて、9.0の方がカーブが緩やかですよね。バレーボールとバスケットボールを比較するとその球面の曲がり具合に違いがあるのと同じです。
PWRとはなんですか?
PWRとはコンタクトレンズの度数のことです。凹レンズはマイナスの符号がつき、凸レンズはプラスの符号が付きます。近視の人には凹レンズ、遠視の人には凸レンズを用いて矯正をします。
PWR-3.25という数値であれば近視のレンズです。この数値が大きくなればなるほど近視の度数が強くなります。
DIA、CTという数字がありますがこれは注文時に必要ですか?
DIAとは?
DIAは、コンタクトレンズの直径のことです。S(サイズ)と同じ意味です。DIA14.0と表示されていれば 直径14.0mmのレンズということです。
CTとは?
CTはコンタクトレンズの中心部の厚さのことです。
CT0.07であればこのレンズの中心部の厚さが0.07mmということです。
DIAもCTもコンタクトレンズの種類や度数によってはじめから決められていますので、特にCTに関して言えば、ハードレンズ、ソフトレンズ、使い捨てコンタクトを問わず注文の際にお客様が選択することは一般にはありません。
ハードレンズの場合、DIAに関しては選択が必要です。
ソフトコンタクトや使い捨てコンタクトにおいても、一部のレンズにはDIAが選択できるようになっているレンズもあるので、そのレンズをご希望の場合は選択が必要になります。
視力からコンタクトレンズのPWR(度数)はわからないでしょうか?
視力検査の結果「0.7だった」とか「0.1しか見えなかった」、「0.04だった」とかよく耳にします。でもそれぞれ見えない原因は人によって異なります。
0.1しか見えないというでも「近視が原因で見えない」と言う人もいれば、「遠視が原因で見えない」と言う人もいます。「中には近視と乱視が混ざって見えない」と言う人もいます。
つまりその見えない原因によって矯正するレンズや度数がすべて変わってきますので、視力からコンタクトレンズの度数を判断することはできないのです。
ですからコンタクトレンズの正しいデータを把握するには、眼科に行き検査を受診しなければなりません。
メガネとコンタクトレンズは同じ度数でいいのでしょうか?
メガネの度数でコンタクトレンズを作れないか?とよくご質問を受けますが、メガネの度数の決定の仕方とコンタクトレンズの度数の決定の仕方は違います。
メガネはレンズが角膜の頂点から12mmくらい前方に出ているので、この分度数の違いが出ます。また、メガネはご存知のとおり実際の大きさより近視であれば小さく、遠視であれば大きく、また乱視であれば乱視の軸と逆方向に実像をゆがんで見せます。ですからメガネ屋さんでは実際の度数よりもやや弱めに度数を入れるのです。
また左右度数がかなり違う場合、近視の場合ですと度数の強い方の見え方は実像が小さく見え、度の弱いほうはあまり大きさが変わりません。人間は両目で物体をみますので脳の中で右目で見たものと左目で見たものを一つにしますが、左右の差が大きいとこれができなくなります。これを不同視といいます。
そこでメガネ屋さんでは両目でみても疲れないよう、度の強いほうの度数をあえて下げて両目でバランスが取れるようにします。ただ、コンタクトレンズは度が強くても物の大きさは変わりません。よって左右ともはっきり物が見える度数でコンタクトレンズを作ることができます。
ですからコンタクトレンズとメガネの見え方を似たような見え方にすることはできますが、その場合でも度数は同じにならない場合が多いのです。ただ度数の軽い人の場合、メガネとコンタクトレンズの度数に差があまりありません。
乱視用の使い捨てコンタクトを使っていますが、CYLとAXISとは何でしょうか?
CYLとは?
CYLは、円柱レンズと言う意味で、乱視を矯正する度数です。
AXISとは?
AXISは、乱視の軸度のことです。乱視は人によって方向があります(これを乱視軸度といいます)。ですからCYLとAXISは必ずセットで表記されていなければなりません。片方が欠けているとレンズを注文することができません。つまり乱視を矯正する場合、乱視度数が適切な位置にないと見えるようにはなりません。
遠近両用コンタクトのADDとはどのような意味ですか?
遠近両用コンタクトは、40代半ば頃から多くの人に出てくる老眼に対応するためのレンズです。老眼は加齢に伴い、水晶体の弾力性が徐々になくなり、手元の物にピントを合わせることができなくなることをいいます。
その水晶体の弾力性がなくなった分を補うのがADD(加入度数)なのです。ですから遠近両用コンタクトには必ず遠くを見る度数と手元を見る度数の二つの度数が存在します。
たとえば、PWR-4.00D、ADDが+1.25Dの場合、遠くを見る部分には-4.00Dの度数が入っており、手元を見る部分には-2.75Dの度数が入っているということなのです(-4.00D+1.25D=-2.75D)。
水晶体の弾力のある若い世代の人たちは、+1.25Dを自身の水晶体を膨らませて調節できるのですが、それが思うように行かなくなるために、その分をレンズに助けてもらうわけです。それがADDなのです。